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siyaku blog

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【テクニカルレポート】生体試料直接分析用充填剤の開発の試み その3「HPLC 用生体成分前処理カラムの開発」

本記事は、和光純薬時報 Vol.70 No.3(2002年7月号)において、和光純薬工業 試薬研究所 吉田 貴三子が執筆したものです。

血清などタンパク質を多量に含む生体試料中の成分、薬物を ODS などの充填剤で分析する場合、前処理として除タンパク操作が必要です。近年、前処理操作を行うことなく生体成分の直接分析可能な充填剤の開発が進められ、筆者等のグループでも生体試料直接分析用充填剤 Wakosil GP-N6 を開発し、本誌(和光純薬時報)Vol.64 No.2, No.3 に使用例を紹介しました。

本充填剤は、前処理カラムとして除タンパクと濃縮を行い、ODS などの分析用カラムに注入し分析を行うカラムスイッチング用としてだけでなく、除タンパクと目的成分の分離を 1 本のカラムで達成できることをコンセプトとして開発したため、粒子径 5 µm のシリカゲルを基材としました。そのため、血清注入量が数十 µL の分析では問題無く使用可能ですが、血清注入量が多くなるとカラム圧力が上昇し耐久性にやや難がありました。また、親水性化合物の保持が小さくタンパク成分との分離が達成されない等の問題もありました。

これら問題点の改善を目的として改良検討を行った結果、親水性逆相型ポリマー充填剤を開発することにより、親水性化合物の保持の確保、シリカゲル系充填剤で問題となるシラノール基の影響を回避することが可能となりました。また、前処理カラム専用として、ポリマーの粒子径を 30 µm に設定したために耐久性が改善し、生体試料の前処理カラムとして理想的となっています。

耐久性の検討として、牛胎児血清(FBS)を 100 µL、500 回の連続注入分析を行い、50 回毎に標準液を分析してカルバマゼピンピークの保持時間、理論段数の変化を観察しました。その時の変化とクロマトグラムを図 1、図 2 に示しました。分析開始時と 500 回分析後のカラム圧力の上昇は無く、また保持時間、理論段数の変化はほとんど認められず 500 回以上の使用が可能であることを確認しました。

jiho_70-3_tech_01.png

また、血中濃度のモニタリングが必要とされている気管支拡張薬のテオフィリンは、Wakosil GP-N6 では血清中のタンパク成分との分離が不十分でカラムスイッチング条件の設定が困難であったが、新規に開発した充填剤を前処理カラムとして使用すれば、カラムサイズが 4.0 mmφ × 10 mm でも十分に分析可能となりました。分析例としてテオフィリン、カフェインのカラムスイッチング分析時のクロマトグラムを図 3 に、血清添加標準液の検量線と添加回収率を図 4、表 1 に示しました。

jiho_70-3_tech_02.png

Table.1 Theophyline 血清添加回収率
濃度回収率(%)n=4
µg/mL平均値CV(%)
0.10 78.3 3.2
0.25 85.1 5.4
0.50 93.7 4.9
1.00 96.0 3.5

Caffein 血清添加回収率
濃度回収率(%)n=4
µg/mL平均値CV(%)
0.10 115.0 3.0
0.25 107.3 1.1
0.50 102.7 4.0
1.00 102.2 2.9

以上紹介した新規充填剤は、粒子径 30 µm の親水性逆相型ポリマー充填剤で、①親水性化合物の保持が大きくタンパク成分との分離が良い、②シリカゲル系充填剤で問題となるシラノール基の影響を回避することが可能、③耐久性に優れている、という特長を有しており、今まで除タンパク操作が必要であった生体試料、血清中の成分、薬物を直接注入分析できるシステム開発への適応が広がると考えます。

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