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siyaku blog

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【連載】Talking of LAL「第5話 比濁時間分析法」

本記事は、和光純薬時報 Vol.59 No.3(1991年10月号)において、和光純薬工業 土谷 正和が執筆したものです。

第5話 比濁時間分析法

比濁時間分析法は、すでに FDA ガイドライン1)にも Kinetic-turbidimetric technique として収載され、リムルス試験の手法として現在広く用いられております。弊社のトキシノメーターは比濁時間分析法のための専用装置です。比濁時間分析法の原理は、LAL のゲル化過程を透過光量の変化としてとらえ、透過光量がある一定の割合だけ変化するまでの時間をゲル化時間(Tg)と定義し、Tg とエンドトキシン濃度の関係からエンドトキシンを低了するというものです。

図 1 に原理の模式図を、図 2 に検量線の一例を示します。この方法は、専用の装置が必要ですが、操作は簡便であり、ゲル化判定を装置が自動的に行うため客観性に優れています。また、感度、定量性、試薬の経済性にも優れており、他の方法に比べ検量範囲が非常に広いことが特徴です。

TOLAL_05-01.png

以前より、比濁時間分析法の考え方は Jorgensen ら2,3)によって報告されていましたが、市販の専用機器等もなく、実用化には至っておりませんでした。大石ら4,5)は、世界に先駆けて、複数の試料の透過光量を並列して測定できる並列型比濁時間分析装置を作製しました。この装置は、透過光量比を個々の試料について演算することにより、光学系の光源強度やセンサー感度の差をキャンセルすることができるという点で優れており、外部評価でも高い評価を得ることができました。これを商品化したものがトキシノメーターです。

他の比濁時間分析装置として、Associates of Cape Cod 社(USA)の LAL-5000 があります。これらの装置の基本的な原理は同様ですが、LAL-5000 は用法が LAL 100µl に試料 400µl を添加するため、ゲル化転倒法による判定は行えないという違いがあります。これらの機器は FDA の認可も受けております。

比濁時間分析法の応用例として、工程管理への適用6)、水中のエンドトキシン測定7)、血液製剤中のエンドトキシン測定8)、グラム陰性菌の検出9)、血液中のエンドトキシン測定等10,11)が報告されております。

筆者らは、主にトキシノメーターを用いて、種々の検討を行ってまいりました。トキシノメーターの長所として、検量範囲の広さとデータの再評価が可能であること(ラボソフト-ET を使用した場合)が挙げられます。測定を開始した後、反応停止等の操作が不要のため時間の制約がないことも、実際に測定を行う者にとっては大きな利点と言えましょう。また、濁り始めるまでの時間を測定するという原理から判るように、測定開始後変化のない多少の濁りであれば、測定に影響を与えないことも、あまり知られていない長所と思われます。

一方、トキシノメーターの問題点として、濃度換算した場合の誤差がやや大きくなること、測定中の振動の影響を受け易いことなどが挙げられます。これらの長所及び欠点をよく理解して使用すれば、トキシノメーターは日常検査や研究に非常に役立つものと思われます。

思わずトキシノメーターのコマーシャルが出てしまいましたが、とりあえず比濁時間分析法の紹介でした。

参考文献

1) Guideline on Validation of the Limulus Amebocyte Lysate Test as an End-product Endotoxin Test for Human and Animal Parenteral Drugs, Biological Products, and Medical Devices. FDA (1987).
2) Jorgensen, J.H. and Alexander, G.A. : Appl. Environ. Microbiol., 41, 1316-1320 (1981).
3) Jorgensen, J.H. and Reichler, A.S. : J. Parenter. Sci. Technol., 36, 96-98 (1982).
4) 大石晴樹ら:薬学雑誌, 105, 300-303 (1985).
5) Oishi, H. et al. : J. Parenter. Sci. Technol., 39, 194-200 (1985).
6) 小田容三ら:九州薬学会会報, 41, 29-38 (1987).
7) Agui, W. et al. : J. Antibact. Antifung. Agents, 16, 313-322 (1988).
8) 藤原博ら:薬学雑誌, 110, 332-340 (1990).
9) 土谷正和ら:日本細菌学雑誌, 45, 903-911 (1990).
10) Yokota, M. et al. : J. Biochem. Biopys. Methods, 18, 97-104 (1989).
11) Kambayashi, J. et al. : J. Biochem. Biophys Methods, 22, 93-100 (1991).

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