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siyaku blog

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【連載】Talking of LAL「第4話 リムルステストの種類」

本記事は、和光純薬時報 Vol.59 No.2(1991年8月号)において、和光純薬工業 土谷 正和が執筆したものです。

第 4 話 リムルステストの種類

リムルステストの手法として報告されているものは数多くありますが、現在実際に広く用いられている方法は、
 (1)ゲル化転倒法1,2)
 (2)比濁時間分析法3,4,5)
 (3)合成基質法6,7)
の 3 法と思われます。

ゲル化転倒法は、10 × 75 mm の試験管中で LAL と試料を混合し、37℃、60 分間反応させた後、これを 180℃転倒させ、ゲルの形成の有無を判定する方法です。半定量的ですが、操作は比較的簡便であり、特別の判定機器を必要とせず、経済的です。

比濁時間分析法は、LAL のゲル化過程を透過光量の変化としてとらえ、透過光量がある一定の割合だけ変化するまでの時間をゲル化時間(Tg)とし、Tg とエンドトキシン濃度の関係からエンドトキシンを定量する方法です。この方法は、専用の装置が必要ですが、操作は簡便であり、ゲル化判定を装置が自動的に行うため客観性に優れています。また、感度・定量性・試薬の経済性にも優れており、他の方法に比べ非常に広い検量範囲が特徴です。弊社のトキシノメーターはこの原理による測定装置です。最近、これと同様の原理を合成基質法に応用した、比色時間分析装置が商品化されました。発売されて間もないこともあり、この装置の評価はまだ定まっていないようです。

合成基質法は、LAL とエンドトキシンの反応に伴って活性化される Clotting enzyme (Wako News No.4 図 1 参照)の合成基質(例えばBoc-Leu-Gly-Arg-pNA)を反応液中に加え、基質の水解によって遊離されてくる色素量とエンドトキシン量の関係からエンドトキシンを定量する方法です。操作はやや複雑で、試薬は高価ですが、感度・定量性・精度に優れています。

ゲル化転倒法は最も早く確立された方法であり、米国薬局方1)・日本薬局方2)等に収載されているのはこの方法です。しかし、比濁時間分析法や合成基質法も FDA ガイドライン8)に収載されており、今後公式に採用される方向にあると思われます。

どの方法を選択するかは、測定の目的や使用できる機器によって異なると思われます。この際、恒温槽の他には特に機器を必要としないゲル化転倒法、広範囲での定量性が可能な比濁時間分析法、測定精度の良い合成基質法、といった各方法の特徴を考慮すべきでしょう。

表 1 に筆者による各方法の評価を示します。もちろん、この評価については使用者によって変化すると思われます。いずれにしても、各方法の特徴を良く理解して、目的に合った測定法を選択する必要があると思われます。

表1 リムルステスト 3 法の比較

◎:たいへん優れている
○:優れている
△:やや劣る
×:劣る

ゲル化転倒法 合成基質法 比濁時間分析法
操作性 ×
経済性
定量精度
定量感度
処理能力 ×
必要機器 恒温槽 恒温槽
分光光度計
専用装置

参考文献

1) The United States Pharmacopeia 22th, The National Formulary 17th, p.1493-1495. Pharmacopeial Convention Inc., MD (1989).
2) 第十一改正日本薬局方追補, B-11 (1988).
3) 大石晴樹, 畑山泰道, 白石浩己, 柳沢和也, 左方由嗣, 薬学雑誌, 105, 300-303 (1985)
4) Oishi, H., Takaoka, A., Hatayama, Y., Matsuo, T. and Sakata, Y., J. Parenter. Sci. Technol., 39, 194-200 (1985)
5) Novitsky, T. J., Remillard, J. F. and Loy, N., Detection of Bacterial Endotoxins With the Limulus Amebocyte Lysate Test (Eds. : Watson, S. W., Levin, J. And Novitsky, T. J.), 189-196, Alan R. Liss Inc., New York (1987).
6) Nakamura, S., Morita, T., Iwanaga, S., Niwa, M. and Takahashi, K., J. Biochem., 81, 1567-1569 (1977)
7) Iwanaga, S., Morita. T., Harada, T., Nakamura, S., Niwa, M., Takada, K., Kumura, T. and Sakakibara, S., Haemostasis, 7, 183-188 (1978)
8) Guideline on Validation of The Limulus Amebocyte Lysate Test as an End-product Endotoxin Test for Human and Animal Parenteral Drugs, Biological Products, and Medical Devices, FDA (1987)

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