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siyaku blog

ー 研究の最前線、テクニカルレポート、
実験のコツなどを幅広く紹介します。 ー

【連載】Wako Organic Chemical News No.01「Luche還元」

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1.今月の反応・試薬   「Luche還元」  サイエンスライター : 佐藤 健太郎氏

α,β-不飽和ケトンをアリルアルコールに還元するのは、利用頻度が高い反応の一つである。ただしこの時、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)や水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)といった汎用される還元剤を用いると、目的のアリルアルコールの他、1,4-還元を受けた化合物が生成してきてしまう。  

J. L. Lucheらは1978年、NaBH4に塩化セリウム(III)七水和物(CeCl3・7H2O)を共存させて反応を行うことにより、1,4-還元の進行をほぼ抑え、アリルアルコールを高選択的に得られることを示した。メタノールまたはエタノールを溶媒とし、0℃から室温程度の温度で、小過剰のNaBH4およびCeCl3・7H2Oを加えるだけでよい。

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この条件で、カルボン酸・エステル・ニトリル・ハロゲン化アルキル・ニトロ基などは通常の場合影響を受けない。またアルデヒドが存在していても、選択的にα,β-不飽和ケトンが還元される。これは、アルデヒドが系中でアセタールに変化し、還元から守られるためである。

関連製品

当社ではLuche還元反応で使用される水素化ほう素ナトリウム(NaBH4)、塩化セリウム(CeCl3)を取り扱っています。

コードNo. 品名 形状 容量 希望納入価格(円)
191-11452 Sodium Tetrahydroborate, Powder 結晶~結晶性粉末 25g 3,500
195-11455 500g 16,500
194-01471 Sodium Tetrahydroborate 粉末 5g 2,700
192-01472 25g 3,300
196-01475 500g 14,900
198-11462 Sodium Tetrahydroborate, Granules 粒状 25g 3,700
192-11465 500g 17,000
035-01832 Cerium(III) Chloride Heptahydrate 結晶~結晶性粉末
又は塊
25g 2,500
032-16732 Cerium (III) Chloride n-Hydrate, 99.9% 結晶 25g 7,000

2.新製品紹介

当社から新たに発売した合成関連の新製品をご紹介いたします。 ※2014年1月当時

(1)硫黄修飾金担持パラジウム触媒 SAPd

硫黄修飾した金メッシュにパラジウムを担持した不均一系触媒です。
鈴木-宮浦カップリング反応、Buchwald-Hartwig反応をリガンドフリーで進行させます。
パラジウム漏洩量が非常に少なく、繰り返し使用可能です。

(2)不斉水素化イリジウム触媒 「Ir-(S)-PA / Ir-(R)-PA」

高選択的に不斉水素化可能な触媒です。キラルアミンを含む化合物の合成などにお使いください。

Ir-(S)-PA
Ir-(R)-PA

(3)シリカ固定化かご型ホスフィン

 本品は、ケイ素架橋部位を有したコンパクトなかご型ホスフィンであるSMAPやTRIPをシリカゲル上に担持した触媒です。

1)Silica-SMAP
  Kawamorita, S., Miyazaki, T., Ohmiya, H., Iwai, T. and Sawamura, M.:J. Am. Chem. Soc.,133, 19310(2011). DOI: 10.1021/ja208364a
2) Silica-TRIP

  Kawamorita, S., Miyazaki, T., Iwai, T., Ohmiya,H. and Sawamura, M.: J. Am. Chem. Soc., 134, 12924(2012). DOI: 10.1021/ja305694r

3.注目の論文

①チオウレア系有機触媒を用いるグリコシル化反応

 Cooperative Catalysis in Glycosidation Reactions with O-Glycosyl Trichloroacetimidates as Glycosyl Donors
  Yiqun Geng, Amit Kumar, Hassan M. Faidallah, Hassan A. Albar, Ibrahim A. Mhkalid, and Richard R. Schmidt*
   Angew. Chem, Int. Ed. Early View, DOI: 10.1002/anie.201302158

  チオウレア系有機触媒を用いるグリコシル化反応。(p-NO2C6H4O)PO2Hを助触媒とし、糖供与体としてトリクロロアセトイミデートを用いることで、室温・数時間で反応が進行する。中性条件で進行し、アノマー位の立体選択性も高い。


②アリル位を、フッ素化あるいはトリフルオロメチル化できる試薬の報告

 Regio- and Stereoselective Allylic Trifluoromethylation and Fluorination using CuCF3 and CuF Reagents
  Johanna M. Larsson, Stalin R. Pathipati, and Kalman J. Szabo*
   J. Org. Chem., 2013, 78 (14), pp 7330-7336 DOI: 10.1021/jo4010074

  アリル位を、フッ素化あるいはトリフルオロメチル化できる試薬の報告。(Ph3P)3CuFまたは(Ph3P)3CuCF3を、室温で塩化アリル、臭化アリル、トリフルオロ酢酸アリルなどに作用させることで、末端選択的にフッ素化あるいはCF3化できる。


③カルボン酸がアルケンに対してanti-Markovnikov型で付加し、エステルを与える反応

 Direct Catalytic Anti-Markovnikov Addition of Carboxylic Acids to Alkenes
  Andrew J. Perkowski and David A. Nicewicz *
   J. Am. Chem. Soc., 2013, 135 (28), pp 10334-10337 DOI: 10.1021/ja4057294

  カルボン酸がアルケンに対してanti-Markovnikov型で付加し、エステルを与える。福住らが開発したアクリジニウム塩を光触媒として用い、450nmのLED光を照射することで、この反応が進行する。メカニズムについても考察あり。

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