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QA番号:985

Q定量NMRについて

A
  • NMRについて
    磁場の中に置いた物質に電磁波を照射すると、物質中の原子核に特有な周波数の電磁波(ラジオ波)の吸収・放出が起こります。これを核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance:NMR)といいます。NMR分光法(単にNMRともいう)は、その原子核の特性に基づき吸収する電磁波の周波数を、吸収ピーク強度の関数として記録する方法で、その記録がNMRスペクトルです。
    実際の化合物では、同じ種類の核(1Hや13Cなど)であってもその周囲の化学的環境が異なる場合には共鳴吸収が起こる周波数が異なります。これは、核の周辺にある電子や隣接する核による小磁場が主磁場を遮蔽する事でその磁場の強度が増減する事により起こります。こうして起こる共鳴周波数のずれを化学シフト(ケミカルシフト)といいます。この周波数のずれはわずかですが、このわずかなずれを精密に測定する事により化合物の情報が得られます。
  • NMRの用途
    【定性分析】
    NMRは分子構造解析など定性的な分析手法の一つとして広く利用されています。
    例えば1H NMRでは
    ①化学シフトから化合物の水素の結合形式がわかる。
    ②シグナルの面積から水素の相対的な数がわかる。
    ③シグナルの分裂数と分裂の幅より化合物を構成する各水素の位置関係がわかる。
    ④既知物質のスペクトルと比較することで化合物の同定ができる。
    ⑤分子構造(炭素骨格、炭素多重結合、立体化学、官能基の位置)が推定できる。
    といった特徴があります。
       
    【定量分析】
    NMRは化合物中の原子核の数の比がピーク面積比に対応する特性を持つため、定量性が確保できる条件で測定することで、化合物の純度を調べることも可能です。昨今では、SIトレーサブルな定量が可能な測定法として、定量NMR(qNMR)法が注目を集めています。
      
    ▶定量値の求め方
    1H NMRによる純度測定では、測定対象の化合物と純度が既知の基準物質(内標準物質)をそれぞれ精密に混ぜ合わせ、重水素溶媒に溶解した溶液で1H NMR測定を行います。得られたスペクトル上に観測される測定対象と内標準物質の化合物に由来するピーク面積、プロトン数、調製試料の質量および分子量の関係から、式1により定量値を算出することができます。
    NMR.png
    1H NMRによる定量分析(定量NMR)では、スペクトル上に観測される水素原子のピーク面積を定量的に比較可能なため、測定対象の化合物とシグナルが重ならない限り、一つの基準物質で、水素を含む多くの化合物の純度や含量の評価が可能です。このとき、国際単位系(SI)へのトレーサビリティが確保された基準物質を用いることで、得られる純度や含量は物質量(モル)に基づいた信頼性の高い値を得ることができます。
      
    ▶標準物質
    当社では、定量NMR用標準物質、内標準法に使用出来る定量NMR標準液、その他NMRに使用する製品をラインアップしております。
      
  • TRM(Traceable Reference Material)シリーズ
    当社と国立研究開発法人 産業技術総合研究所計量標準総合センター(NMIJ)が共同で開発した、信頼性の高い特性値が付与され た高純度標準物質を速やかに生産するためのシステムによる商品です。当シリーズは、NMIJが国際単位系(SI)にトレーサブルな測定 方法で値付けした純度(不確かさを含む)に、当社で均質性評価および安定性評価等から得た不確かさを加えて標準物質の特性値を 決定し、証明書付きの標準物質として供給しています。そのため、本準物質の特性値は、NMIJの分析値を通してSIにトレーサブルであ り、計量トレーサビリティが表明できます。
  • TraceSure®シリーズ
    当社が(独)製品評価技術基盤機構認定センター(IAJapan)が運営する製品評価技術基盤機構認定プログラム(ASNITE)によって標 準物質生産者の認定を取得した認証標準物質です。ASNITE 認定品目である認証標準物質には、製品1本毎に信頼性の証である不 確かさを付与した認証書を添付しています。この認証書に記載された認証値は、APLAC(アジア太平洋試験所認定協力機構)のMRA (相互承認)を通じて国際的に受入可能です。